平成25年4月13日(土)配置管理者セミナーin札幌が開催されました。今回は「多職種協働における医師事務作業補助者の役割 」をテーマに掲げ、北海道内の配置管理者を中心に全国各地から40名の方にご参加いただきました。
プログラム前半は3名の先生方による講演でした。初めにご登壇いただいたのは、心臓血管センター北海道大野病院 副院長の大川洋平先生で、テーマは「当センターにおける医師事務作業補助者のチーム医療における役割」です。同院では、医師事務作業補助者がチーム医療の一員として様々な業務が行われています。「医師事務作業補助者が仕事をすることで、医師だけでなく、患者、看護師、コメディカルも大きな恩恵を受けている」と述べられました。特に、診療報酬でも加算のある栄養サポートチームでは、病院勤務医の負担を軽減する体制をとることが必要であり、医師事務作業補助者もチームに加わっています。また、糖尿病透析予防指導管理料に関わる補助体制については、医師事務作業補助者が採血結果から対象患者をピックアップして医師へ指導を提言するといった活動をされていました。
次は、メディカルトピア草加病院 事務長の久保田巧先生です。「配置管理者に必要な力とは~日々の悩みを具体的事例から解決する~」をテーマにご講演をいただきました。実際にあった配置管理者の悩みから、業務分担表やキャリアラダー、人材集めの方法、コミュニケーションをとるための会話術など具体的な解決方法を教えていただきました。事務長の立場から、病院幹部が配置管理者に求めることとして、「インパクト(期待や普通以上の提供や成果)を出せるような業務を行うこと。常にインパクトを出せる組織を意識し、皆さんの力で医師の環境や病院を変化させてください!」と熱いお言葉をいただきました。
最後のご講演は手稲渓仁会病院 整形外科部長の大野和則先生です。テーマは「整形外科診療におけるコーディネーターとしての医療秘書-必要不可欠な存在の医療秘書-」でした。同院の整形外科秘書は臨床支援や学術支援、日常支援など、あらゆる方面から医師の支援を行っていました。今回、大野先生は医療秘書について、医師や看護師に行ったアンケート結果を発表してくださいました。医師だけでなく看護師からも「必要不可欠な存在」という結果がありながらも、「業務内容が明確でない。チーム医療を行う上で、明確化すればもっと協力して仕事ができる。」といった結果もあり、多職種協働においての課題も明らかにすることが出来ました。
プログラムの後半はパネルディスカッションでした。座長に東京医療保健大学医療情報学科 講師の瀬戸僚馬先生、パネリストに金沢脳神経外科病院 院長の佐藤秀次先生、札幌白石脳神経外科病院 副院長の高橋明先生、新札幌恵愛会病院 看護部長の大澤敦子先生、メディカルトピア草加病院 事務長の久保田巧先生、手稲渓仁会病院 医療秘書課の南木由美さんの5名を迎え、病院管理者、現場医師、看護部長、事務長、実務者の立場から「多職種協働における医師事務作業補助者の役割」をテーマにディスカッションが行われました。外来、病棟など多職種間の関わりが大きい環境の中での医師事務作業補助者の業務について話し合われ、各々の病院によって、医師事務作業補助者の業務や、多職種協働の在り方に様々な形があり、充実したディスカッションを行うことができました。
最後に、閉会の挨拶として矢口智子理事長(金沢脳神経外科病院 医療秘書室主任)から医師事務作業補助者業務指針試案の公表について発表があり、札幌での配置管理者セミナーは大盛況のうちに終わりました。
NPO法人日本医師事務作業補助研究会 理事 藤原典子
(東大宮総合病院 医療クラーク室)