【愛知・岐阜支部設立と第1回地方会開催】 支部長 小島 敏美
2014年4月19日特定非営利活動法人 日本医師事務作業補助研究会 愛知・岐阜支部 発起人会・世話人会を開催。翌4月20日同研究会 本部理事会にて承認され、愛知・岐阜支部を発足致しました。そして、5月31日愛知県医師会館、大講堂にて、第1回愛知・岐阜地方会を開催致しました。参加者数123名、役員・スタッフ含め総勢144名の参加で、大変活気溢れる会となりました。愛知・岐阜のみならず、三重県・滋賀県・静岡県・石川県などからも参加して頂き、医師事務作業補助者への関心が高いことを改めて感じました。このように県や医療機関の垣根をこえて情報・意見交換を行う場を作り、お互いに向上し、医師事務作業補助者の業務・地位確立を目指していくことを目的とし活動を開始いたしました。皆様からの暖かいお言葉やご意見を参考に、今後も医師事務作業補助者が活躍できる場の確立に向け活動していきます。今回、愛知・岐阜支部発足・地方会開催にあたり、ご尽力頂きました皆様にこの場をお借りし厚く御礼申し上げます。
【主催者挨拶】 蒲郡市民病院 名誉院長/伊藤 健一 先生
愛知・岐阜支部設立に多大なご尽力を頂いた、伊藤健一先生より主催者の挨拶を頂きました。
医師事務作業補助者の業務は、勤務医の事務的業務の軽減と決まっていますが、何をやったらいいのか、分からない状態であります。病院の中には、40ほどの専門職腫が存在し、孤立してしまう可能性が高く、なかなか相談できない。そんな中、愛知・岐阜支部が発足し、困ったこと、方向性を相談・議論して頂く機会が出来、うれしく思います。皆様方でこの会を育てていって頂き、自分たちの手で、この専門職種の確立を進めてください。この会が盛大になることを祈念します。
特別講演 【医師事務作業補助者の役割の追及】
講師:日本医師事務作業補助研究会 理事長 矢口 智子
こんなに期待されている職種!
医師へのアンケートで「医師事務作業補助者の増員が必要」の回答は約50%。医師の増員に次ぎ多い。「こんなに期待されている職種なんです!」と矢口理事長。だからこそ、役割を追及し医師事務作業補助者の確立を目指す必要があります。そのためには、どうしたら良いのか?矢口理事長は、次のように講演して下さいました。
期待と効果が大きく、まだ拡大傾向にあるが、配置状況や業務設計は病院規模や特性により変わり、また、求められるスキルが多様かつ高度になってきました。それによって見えてくる課題は「人材育成や人材確保」。今までは、32時間研修や自己啓発にて育成が行われてきたが、これからは医師等医療専門職の指導を受けつつ、自らの手で後輩の教育を行い、評価を上げ職種の確立を行っていく必要があります。みなさんの手で、医師事務作業補助業務を夢と希望のある職種にしていきましょう。
講演 【医師事務作業補助者に求められるスキル】
講師:羽島市民病院 副院長兼小児科部長 大宮 史朗
やった結果でモノを言え!
医師が医師事務作業補助者に求めるスキルの中のひとつ「積極性」。チャレンジ精神を求め「最初からできない、と言うな!」、「やった結果でモノを言え!」医師である大宮先生からのお言葉です。医師の補助である私たちは医師からの意見なくては成長できません。医師が考える「医師事務作業補助者の必要スキル」につき大宮先生は、次のように講演して下さいました。
文書作成能力、電子カルテシステム・オーダリングシステムの理解、医学用語の習得・精通などある中、重要なのは「コミュニケーション力」「積極性」「協調性」。コミュニケーションは相手あってのもので、自分本位の伝え方では伝わらないことも多い。言葉を使わない「ノンバーバルコミュニケーション」や「SBAR(エスバー:分かりやすく相手に伝えるスキル)」などを使い、医師や看護師、患者様などとコミュニケーションを取ることが重要である。医師事務作業補助者は、医師からの依頼や指示、各職種との接点も必然と発生するため、コミュニケーション力が必然なのは、どのような状況の病院であっても共通認識となっている。
発表 【愛知・岐阜支部 今後の展望】
発表者:日本医師事務作業補助研究会 愛知・岐阜支部 支部長 小島 敏美
業務確立に向けた今後の活動
支部を設立し、情報共有・意見交換を行うことで、チーム医療の一員として医師事務作業補助者が活躍できる場を確立することに繋がると信じています。第2回地方会は、ご参加頂いた皆様からのアンケート結果を踏まえ、業務確立やスキル向上に役立てる内容を検討します。また、石川支部のご協力で「医師事務作業補助者 業務分類」を参加頂いた医療機関様宛に送付させて頂き、そのアンケート結果を第2回地方会でご報告致します。次回は、平成26年11月8日を予定しております。
発表① 【医師事務作業補助者発足から現在 そしてこれからの役割】
発表者:総合大雄会病院 MC課 白取 夕喜子
珊瑚礁を取り巻く海中環境の様に
ならないよう
今回初めて、医師へのアンケート及びMC課へのアンケートを行い、その中から診療科による偏り、MCの業務内容が不明などがあり、今後はMC課の存在・業務内容を浸透させ、医師が本来の仕事に専念できる環境を整えていく。病院勤務医の環境破壊が取り返しのきかない状態にならないように、私たち医師事務作業補助者が医師にとっては無くてはならない存在となれるように、これから業務改善を行っていきます。
発表② 【総合青山病院における医師事務作業補助について】
発表者:総合青山病院 医療サービス課 主任 杉野 幸代
医師へのアンケート結果から
見えたもの
紙カルテ+オーダリング環境での問題を幾つか挙げ、来年度の電子カルテ導入時に向けて問題解決の対策を検討している。平成23度より計3回のアンケートによりメディカルクラークが周知され、多くの医師からの信頼を得つつある事が分かりました。また業務内容は書類作成や代行入力、学会資料作成だけではなく、未知数であることが見えてきました。医師の事務作業補助という立場と同時にチーム医療の一員であるという自覚と責任を持ち業務を行うことが大切だと分かりました。
発表 【がん医療センター及び外科・乳腺外科における
医療クラークの役割について】
発表者:岐阜県総合医療センター 診療情報支援部 医療クラーク室 リーダー 梅田 弘美
理想のクラークに“答えはなし”
理想のクラークは「医学専門知識が豊富」「温厚で協調性がある」「パソコンの知識が豊富」などありますが、現実は難しく、理想のクラークに答えはありません。ならば、探せば良いのです。作れば良いのです。その病院に、自分にあった方法で答えを探していき、その内、その病院になくてはならない人になっている事が理想のクラークなのではないかと思います。医療クラークは歴史が浅い。だからこそ、のびしろが残されており、努力で変われるのではないでしょうか。
【総括】 藤田保健衛生大学 医療科学部 教授 米本 倉基
今回、第1回ということで、時間通り終わらず、不手際があったかと思いますが、次回からは改善して実務者にとって良いものに作り上げて行きたいと思います。また、第2回地方会は総合大雄会病院で11月8日を予定しております。 6月28日の大阪で開催される全国大会でお会いできるのを楽しみにしております。
【懇親会】 我楽多文庫 栄・昭和ビル店
第1回地方会・懇親会ということで、30名ほどの参加でした。地方会の座長から、引き続き米本先生に宴会部長となって頂き、ご挨拶、乾杯し、始終和やかなムードでそれぞれが語り合う、貴重な時間となりました。開始、終了とも宴会場の中にある太鼓の音が響き渡り合図となりました。太鼓は総合大雄会病院 野村事務長が率先して叩いてくださいました。最後は、小島支部長による不慣れな一本締めで会は終了しました。
【第2回 愛知・岐阜 地方会 案内】
<日 時> 2014年11月8日(土)13:00~17:00
<場 所> 総合大雄会病院(愛知県一宮市桜1丁目9番9号)
<テーマ> 「学び合い式による実践スキルセミナー」
○愛知・岐阜支部 業務分類アンケート結果報告
○アイスブレイク
<ドクタータイプ別対処法>
○医師による医学講座 内分泌内科
○事例報告
○参加型ワークショップ
予定は変更する場合があります
【お問合せ先】
社会医療法人大雄会 総合大雄会病院 総合MC課
小島 敏美
TEL 0586-72-1211(代)
E-Mail d-jimukyoku@daiyukai.or.jp