NPO法人 日本医師事務作業補助研究会
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第3回高知地方会 活動報告
「チーム医療における
 医師事務作業補助者と他職種との連携」

開催日:平成29年9月23日(土)14:00~17:00

会 場:高知県・高知市病院企業団立 高知医療センター くろしおホール

「チーム医療における医師事務作業補助者と他職種との連携」



 平成29年9月23日(土)高知医療センター くろしおホールにおいて第3回高知地方会を開催いたしました。他職種の方を含む121名の方々にご参加いただき、盛会に終わりました。

 まず、顧問の堀見忠司先生より、医師事務作業補助者は今や医療界において、なくてはならない存在であり、今回のテーマはチーム医療で非常に大事なことであると挨拶されました。


講演1 :医師から見た医師事務作業補助者、そしてこれから期待すること

医療法人 治久会 もみのき病院 院長 森木 章人先生


講演1の様子 :医師から見た医師事務作業補助者、そしてこれから期待すること

森木院長より「医師から見た医師事務作業補助者、そしてこれから期待すること」と題して講演していただきました。

 より円滑に仕事ができるために、医師事務作業補助者への業務支援として、①診療情報提供書や返書は定型文を作成し、より修正の少ない作成支援、②外来診療録や退院・外来サマリーの代行入力により、医学的知識の習得やカルテを読む力を養う、③年間事業計画作成や仕事内容の見直し、④医療を支える専門職としての自覚やスキルアップ、モチベーションアップを図るために講演会や学会にも積極的に参加を支援する。

 医師事務作業補助者に期待することとして、患者さんの視点を常に意識すること、医療の効率化への貢献という意識を持つこと、他のスタッフとのコミュニケーション能力、医学的知識、正確性、文書作成の基本能力などの獲得、指示待ちのルーティンワークではなく、さまざまな視点で業務を常に考え、提案実行しながら病院全体の運営に貢献してほしい。ただの秘書ではなくチームワークで医療を支えることが大事であると熱くご講演いただきました。


講演2:当院の医師事務作業補助者の活躍ぶりと今後に期待すること

社会医療法人 仁生会本部 事務局長 宮地 耕一郎先生


講演2の様子:当院の医師事務作業補助者の活躍ぶりと今後に期待すること

宮地事務局長より「当院の医師事務作業補助者の活躍ぶりと今後に期待すること」と題して講演していただきました

 雇用形態について、長い育成期間が必要な職種であり、また優秀な人材確保のため正職員でないと採用できない。業務内容について、医師への情報伝達、医師のスケジュール調整や非常勤医師との連絡にとても役立っている。また、サポートを受けているDrの満足度は極めて高い、Dr以外の職種も恩恵を感じているが、より一層の関わりを望んでいる、潜在的な増員要望は強い、と院内アンケート結果が紹介されました。

 また、モラルの高い人、接遇レベルの高い人、明るくポジティブな人、向上心・向学心のある人、チーム医療のできる人、ころがす力(気配り、優先順位付け、リスク回避、想像力、調整能力、気持ちよく働ける環境作り)がある人を望んでいる。そして病院経営に大きく貢献しており、居なければ医師の負担が軽減されず、超勤増と患者減に繋がり減収となる。日々の努力でDrから厚い信頼を勝ち得ており、今後とも病院全体で支援・育成していくことがたいへん重要であるとご講演いただきました。


講演3:外来における看護師と医師事務作業補助者との連携~過去・現在・未来~

医療法人 尚腎会 高知高須病院 外来看護師長 恒石 真紀先生


講演3の様子:外来における看護師と医師事務作業補助者との連携~過去・現在・未来~

恒石師長より「外来における看護師と医師事務作業補助者との連携~過去・現在・未来~」と題して講演していただきました。

 まず、過去に看護師が行っていた業務紹介があり、医師事務作業補助者の外来導入に向けての流れや必要とした作業、そして動画で外来診療業務の様子をわかりやすく紹介がありました。導入により検査手術入院説明や電話対応、指導処置など看護業務に専念できるようになった。


 また、外来業務をスムーズに運用するために信頼関係が必要である。お互いの職種を理解し、同じ認識のもと業務を行う協力体制が必要、なにより医師の協力が必要である。そして、医師事務作業補助者は看護師の補助者ではないこと、どのような業務を行う職種なのかを理解した上で業務分担を考え、医師事務作業補助者導入は医師の負担軽減と看護師が看護に専念できる環境構築に寄与するとご講演いただきました。



~実務事例発表~

・土佐市立 土佐市民病院 医務課 関 能美

・医療法人 新松田会 愛宕病院 医師事務支援室 主任 山中 友子

・つるぎ町立 半田病院 医事課 医療クラーク係 谷 真弓



~地方会を終えて~

 今回は医師、事務局長、看護師のご講演ということもあり、様々な職種の参加がありました。それぞれの視点から医師事務作業補助者に求めること、導入により病院運営に大きく貢献していることを具体的に感じることができました。また、参加した病院管理者の方から、これまで業務内容をよく知らなかった、たいへん勉強になったとコメントをいただきました。今後も医師事務作業補助者の発展に繋がるよう活動を行っていきたいと思います。

 

 最後になりますが、地方会にご参加いただきました皆さま、第3回高知地方会 受付開催にご協力いただきました関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。以上で活動報告といたします。


報告者:高知県支部 世話人 杉村 和香



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